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淡路と話していたら意外といい時間になっていた。



「失礼します」
職員室に入ると、さっきまで出勤していなかった教師たちがいるのに目が行く、国語教師、数学教師などだ。
だが、この教師たちに用はない。
「姫子」
「む…勇太か。何だ?」
夢前先生とまだ話していたのか。
先生と向かい合わせで座っている。
「大蛇さんは教科書まだ無いから篠田くんに借りてね」
「うむ、了承した。頼んだぞ勇太」
「でも先生、俺の隣は飛騨と小野ですよ」
「飛騨くんを廊下側の一番後ろにすれば大丈夫。万事解決!」
…だそうだぞ飛騨。
お前の知らん間に席変わった。別に俺はどうこう言うつもり無いし構わない。
むしろ、授業中飛騨はウルサいからちょうどいいか。
「体操服とかは学校が準備するからそれまで体育の時間は適当なジャージでね」
「了承した。『らぐびー』とか言うスポーツの服だな」
ちげえ!!合ってるけど違う!
「それから…後は特にないかな。また何か合ったら言うからね」
突っ込まない…だと?
今のナイスボケをスルー?この女教師徒者じゃねぇ
「勇太五月蝿い。何をブツブツ言ってるんだ」
「え?声に出てた?」
「ブツブツブツブツやかましい奴だ。情緒不安定じゃないのか?」
……泣いても、いいよね?

******

職員室から移動し教室。
姫子は先生と来るので1人で教室に入る。
「おはよーっす」
「うーっす」
「篠田!聞いたか!?転校生らしいぞ!!」
クラス唯一のメガネ男子 三田 が言った。
彼の言う転校生はもちろん姫子のことだ。
俺を含め小野、加西、姫路、飛騨がこの事は知っている。
「知ってるよ」
「見たか?背が小さくておさげの女の子らしいからな、今の時点で80点は堅いぜ」
採点基準を教えろ。
どうやら、クラスは転校生の話題でもちきりらしい。
そりゃまぁそうだろうな。
6月という中途半端な時期だし注目されるのは仕方ない。
「みんなー!ウォンチュウ!」
『ラバーメン(ゴム人間)』
「席に着いて~。大切なお知らせがあるからね。………はい、じゃあ入って」
全員が席に着き、静かになるのを待ってから目当ての人物を呼んだ。
漆黒の髪を揺らし、颯爽と入って来たのはもちろん姫子。

カッ!カッ!

と教壇の横で踵を鳴らしてキヲツケをする。
スリッパでどうやったらあんな音出るんだ。
夢前先生が黒板に白墨で『大蛇姫子』と書く間姫子は微動だにしない。
筋肉の一筋も動かさない、視線も動かさない。直立したまま、物怖じした風な事も無い。堂々とし過ぎだ。
「大蛇姫子さんです。家庭の事情で急遽、転校してきました。みんな、仲良くしてね。…大蛇さん、自己紹介を」
「うむ、承知した。……大蛇姫子だ。色々と分からない事だらけだが、よろしく頼む」
…随分上からな気がするが、まだいいか。
「先生っ!俺の横の席が空いてます!!」
三田…
どうやら三田的に満点だったらしい。
周りを見ると喜んでいる男子が大半、特に三田。
「え~と、じゃあ飛騨くん」
「イエス!マム!」
「三田くんの隣に移って」
「「えぇっ!?」」
三田と飛騨が同時に叫んだ。
「大蛇さんは篠田くんの隣へ」
「うむ、了承した」
「い、意義あり!」
「飛騨くんの意義を却下します」
ブツブツ言いながら飛騨が三田の横へ荷物を運び、入れ替わり姫子が席に着いた。
「じゃあみんな、今週の連絡は特に有りません!授業頑張ってね」
そう言って夢前先生は教室を後にする。
同時にクラスの数人が姫子を取り囲んだ。
「大蛇さんって前までドコに居たの?」
「今までか?まぁ…色々だ。山城にいたり出雲にいたり転々としていたんだ」
「へぇ~…大変ね。じゃあすぐに転校しちゃうの?」
「そんな事ないぞ。親戚に居候させてもらっているから、卒業まではここにいるつもりだ」
そん感じの他愛ない話をしている。
「篠田よ。教えてもらうぞ」
「先生に何をしたんだ」
「大蛇さんとどういう関係だ?返答によっては…」
俺は男子たちに囲まれている。
全員、姫子が俺の隣なのが気に食わないらしい。
「うるせぇ、この野獣共」
「篠田…すまん。四、五発だけ殴らせろ」
多いわ。
地味に多いわ。
ダメだ、この野獣共。早く何とかしないと。
「何だ?私と勇太の関係か?」
女子も気になっているのか。
「ん~…あれだ。一つ屋根の下で暮らす関係だな」

………
…………このアホ…
何でわざわざ勘違いされるような言い方をするんだ。
もしかしてアホの子じゃねえの?
「篠田…」
「篠田くん…」
クラス中の視線が俺に集まる。
正直に言ったらいいのか?
……それしかないな。
俺が「親戚」と言おうとした瞬間、教室の扉が開いた。
「こりゃあ。席着けぇ」
メガネを掛けたおじいちゃん先生。現代文の武庫先生だった。
「小野ぉ…号令ぇ」
「え、あ…はい。起立!!」
委員長の小野が号令をかけた。
一瞬、間があったな。小野が呆けていたのか?
珍しい事もあるもんだ。

結局、姫子との関係を言わずに授業が始まった。
多分休み時間に責められるんだろう。
その時言えばいい。
今は隣で教科書を見せろ、と言っている輩の対処のが重要案件だ。
先生の命令だし、仕方ないか。
俺の机を姫子の机に寄せ、真ん中に教科書を置く。
ザクザクと背中に突き刺さる視線。

毎時間これか…これは、キツいな。
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