上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
県立城山高校。
進学校だがそこまで偏差値が高い訳でもない。普通の学力を持つ奴らが集まる学校であり、俺の母校だ。



「失礼します」
職員室には、まだちらほらとしか教師たちは出勤していない。
校長と教頭、生徒指導の体育教師、そして新任で熱血の歴史教師の姿が見える。
この歴史教師(♀)こそが担任の先生なのだ。
「夢前先生」
「は~い」
この人は見た目は普通。いや、むしろ美人に分類されるだろう。
元気があって明るい、男子受けしやすいが欠点がある。
「篠田くん!ウォンチュ!」
「ラバーメン(ゴム人間)」
…分かって貰えたか?
そう、先生はオタクなのだ。
しかも隠さない。日常会話で『昨日の深夜アニメでさ』とか『薄●鬼面白いからやってみなよ』とか言う。
「どうしたのかな?先生の彼女見に来たの?見る?愛花見る?」
「また今度にして下さい。それより…ほら、早く挨拶しろよ」
姫子を夢前先生の前に立たせた。
腹立たしいぐらいにオドオドした表情をする姫子。
そして、キョトンとした表情をする夢前先生。
「え~と。篠田くん、誰かな?」
「え?」
「先生は可愛い女の子は絶対に忘れないけど、この女の子は記憶に無いなぁ。誰かな?」
「おい、姫子。どういう事だ?手続きは済ましたんじゃないのか?」
「御父様と御母様が校長と話は付けたと言っていたが…」
「そうなの?ちょっと待っててね…あ、名前は?」
「大蛇姫子だ」
「姫子ちゃんね。はい、ちょっと待っててね」
そう言って夢前先生は校長の所へ向かった。
しばらく話していると校長、教頭が真っ青な顔でこちらへ歩いてきた。
青というか蒼…いや白に近い。つまり血の気が全くない。
「お、お待ちしておりました。お父様…勝利様からお話は頂戴しておりますので、ハイ…夢前先生、先生のクラスに編入出来ますか?」
「え?あ、はい。分かりました。じゃあ姫子ちゃん、色々とお話があるからね」
「わかった。じゃあ勇太、後でな」

******

時刻は7時30分
7時55分に予鈴が鳴り、8時丁度に本鈴が鳴るがそれまで暇になってしまった。
実際、登校している生徒はいるが、コイツ等は小テストの予習をしているヤツらだ。
もちろん、そんな予習などしない。
半分程解けりゃ十分なのだ。

さて、本格的にすることがない…
図書室に行くか。あそこなら十分に暇を潰せるだろう。

……
図書室はいつも通りガラガラ、閑散としている。
一年生の図書当番がカウンターの後ろで熱心に何か書いているぐらいで誰もいない。
「おはよう、淡路」
「…おはようございます、せんぱい」
淡路…コイツは所謂文学少女だ。
同じ町内なのでよく遊んでいたが、無口で、目を合わせようとしない。
俺が話しかけると俯いてしまう。
昔は普通に話し出来たのになぁ…いつからかなぁ?
「なぁ、淡路よぅ。何書いてんだ?小説か?」
「…………」
ほら、無視だよ。
何でかねぇ?
「……せんぱい、寄らないで下さい。変態が伝染したらどうするんですか。責任とって下さい」
変態扱い!?
「女の子が周りにいて…良かったですね、憧れのハーレムですね」
「ハーレムじゃねえよ!まともに喋ったと思ったら何言ってんだ!」
「高角砲を飛ばさないで下さい。妊娠したらどうするんですか。養って下さい」
「妊娠なんてするか!後、漢字が違う。高角砲じゃなくて口角泡だ。何て面倒な間違いしやがる」
「……………」
あれ~?俯いちゃったよ。
俺、変な事言った?
いや、むしろ淡路のが変だろ。
何なんだ。責任とれだの養えだのこんなキャラだったか?
もう、いいや。小説でも読も。
「え~…と」
ふむ、普段小説なぞ読まないからどれが面白いかさっぱりだ。
こういう時こそ図書当番の役目だろう。
「淡路、なんか面白い小説ないか?」
「…………ん…」
三点リーダーを4つ分の後、一文字だけ発した淡路は一冊の本を手渡してきた。
「指紋…付けないで下さいね」
「言うの遅え、もう付いてるよ」
「…ゴム付けてって言ったのに」
「言ってねえ!後、妙な事を言うな!!誤解されたらどうする!」
「私はゴム手袋って言ったのに、せんぱいは何と勘違いしたんですか?」
「…お前そんなキャラだったか?もっと違ったような」
「………………」
また黙りかよ。
いいや、もう。
「教室戻るわ、読んだら返す」
「……」
最後も黙りか。
ちょっと寂しいな。

教室に戻る前に少し寄り道するかな。
場所は…まぁ、あそこだよ。
職員室だよ。
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://436c75746368.blog73.fc2.com/tb.php/728-70e980a9
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。