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この世に幽霊が居るかどうか何て、そんな事誰にも分からない
だが、幽霊級に不思議なヤツ「オロチヒメコ」は居る
何が不思議かって「オロチヒメコ」は…蛇だ
執念深いとかそう言う意味じゃなくて蛇だ(執念深い部分も確かにあるが)
本人が自分が蛇だと言っているのだからそうなのだろう
俺はヒメコの言うことを信じる事にした
それは1ヶ月以上も前の話だ



春の心地良い陽光はカーテンの隙間から部屋へと差し込みちょうど気持ち良く寝ている俺の顔を照らした
眩しさで目を覚ます
寝転がった状態で頭を動かし現状把握を急いだ
俺の寝ている格好は横向き。そこから正面に見えるのはベッド(俺は布団で寝ている)、視界の上の方に勉強机の足が見える

「ちくしょ~…眩しいなぁ」

いつもならベッドから爆撃があるのだが今日なかった
……背中側に妙な気配を感じる
殺気…ではないか
俺の部屋のベッドの向かい側、つまり今の俺から見て真後ろには扉がある。扉を出て左へ向けば玄関、正面はリビングへの扉、右側は風呂やトイレ、階段という構造だ

さて、背中側から感じる気配の話を戻そう
誰かが扉付近(背中の方向)にいるという事だ
誰だ?母か?姉か?ヒメコか?
確かめる為にも振り向く
振り向いた俺の目に飛び込んで来たのは…心地良さそうに寝息を立てるヒメコだった

「おわっ!?」

反射的に叫んでしまった
通常ヒメコはベッドで寝る筈だ
何故、俺の布団で…
眉間にシワを寄せてヒメコがうっすらと目を開ける

「……ゆ、勇太!?あれ!?何で勇太の布団で…」

俺が訊きたいわ!
何でこんなハプニングに遭遇しなければないんだ!
大体ヒメコよ…どんな髪型だよ…寝癖か?これ
いつも寝る時はストレートにしているが。今日、というか今はグシャグシャもいいとこだ
髪がアッチへ跳ね、コッチへ跳ね…すげぇな

「ゆ、勇太。もしかして…私は夜伽(ヨトギ)を」
「アホか!!してねぇよ!」
「じゃあ何で私が勇太の布団に…もしかして何か忘れてる?」

忘れてる?何かあったか?
はて…思い出せん…

「もしかして…アイツか?」
「アイツ?」
「私の妹に記憶を弄くりまわすのが得意なヤツがいるんだ」

また妹かよ
ヒメコは5人姉妹の長女で…あれ?キミコともう1人会ったような…
誰だっけ…

「なぁヒメコ」
「なんだ?」

いつもはのほほんとしているヒメコが真剣な眼差しで考えている。しかし髪の毛がグシャグシャである故にコメディにしか見えない
ギャップがハンパではない

「ヒメコの妹を1人ずつ言ってくれ」
「なんで?」
「いいから」

(頭はグシャグシャで)怪訝な顔をするヒメコ
もしかして寝癖に気付いていないのか?

「え~と…上から、アヤコ、サトコ、キミコ、ユキコだ」

アヤコ…
……
………!
俺の頭に電撃が走ったように思い出した

「アヤコ!」
「アヤコがどうした?」
「アイツさっき来ただろう!」

確実に思い出した
アヤコはヒメコを取り戻す為に来たんだ
でも、ヒメコは戻る意志は無いし側近に騙されて来たらしく素直に帰って行った
…けっこうスタイル良かったな…ヒメコよりは確実に良かった

「悪かったなスタイルが貧相で…」

モノローグを読むなよ
グ●かよ

「私だってその内…」

あぁヤバい!
地雷だ!
テンションが急激に下がるからヒメコにスタイルは禁句なのだが…でも今回はヒメコが勝手にその方向に話を持って行ったんじゃ…

「勇太…そ、その…あの…」
「なぁ話を戻していいか?」

脱線しまくっている話を元に修正する

さて、オロチアヤコが来たのは絶対だ
でも何でそれを忘れてしまっているかだ

「簡単な話だ」
「何で?」
「犯人はサトコだ。アイツは記憶を奪い取るのを得意にしていてな。つまり私たち一族の正体…蛇の事を知ったヤツの記憶を奪ったりしているんだ」

またヒメコの関係者は確実だな
まったく2話も続けてヒメコの関係者とはな
今度は三女オロチサトコ
さぁ、正体を現せ!
………………
…………
……あれ?
こういうのって犯人は近くで見てるんじゃないの?

「ヒメコ、オロチサトコはここにいるのか?」
「確実にいるだろう。アイツは人が記憶を失って困るのを見て喜ぶ変態だからな」
「変態とは失礼な」

誰だ?
どこからだ?

「ねぇさん、妹を変態扱いはヒドくない?」
「ハッ!よく言うよ」
「だって、ねぇさんがここに居れるのは僕のおかげなんだよ?逆に感謝してもらわないと」

俺はどこからか聞こえる声の主を探した
だがそれより主が「僕」と言ったのが引っかかった……ってそこじゃない。ヒメコがここに居れるのはって?どういうことだ?

「実は勇太の家族の記憶を弄っていたんだ。突然来た私を受け入れただろう?」

確かに
あの受け入れ方は若干不自然だったような気がしたのはその所為か

「にしても、このお兄さんスゴいねぇ。僕の術を自ら解くなんて初めてだよ」

上から声が聞こえた気がした…俺は天井へと視線を動かす
……多分、外国人が見たらこう言うだろう
『OH!ジャパニーズニンジャ!』
忍者だね忍者だ
天井にショートヘアの女の子が大の字で張り付いている
何で気が付かなかった…

「やぁ初めまして。僕はオロチサトコ。記憶を好きなようにするのが好きな女の子だよ」
「……はじめまして…」
「降りてもいいかな?けっこう疲れるんだよこれ」

勝手に降りろよ…
と言いたいがまぁいいだろう

「いいよ」
「ありがとう……よいしょ…と」

サトコは音も無く俺の目の前に降り立つ
衝撃を緩和するためか膝を曲げ、一瞬動きを止めた
黒と紫の中間のような髪がゆっくりと靡く…風も無いのに…

「お兄さんはヒメコねぇさんのカレシかな?」

サトコは立ち上がると俺の肩ぐらいの身長だ
上目遣いで訊いてくるサトコは…素直にかわいい

「あ?あぁ」
「ふぅ~ん。…ねえお兄さん、ねぇさんヤメて僕に乗り換えない?」
「ええ!?」
「な、なな何を!何を言っているんだサトコ!」

ヒメコが怒鳴った
しかしサトコは悪びれる様子もなく俺にすり寄る

ちくしょう
鎮まれ、鎮まれ俺
ちょっと女子にすり寄られただけじゃないか!!

「だって、自分の力で僕の術を解くなんて…惚れちゃうよ」
「ちょ、ちょっと」
「サトコ!勇太も鼻の下を伸ばすな!」

ヒメコは俺とサトコの間に割って入る
そ、そうだ
頑張れヒメコ、負けるなサトコ
俺は女の子にもみくちゃにされる道を選ばせて頂こう

「お兄さん、僕のお婿さんに来ない?ねぇさんより僕のがおっぱいあるよ?」
「何を言うか!!私が勇太に嫁に行くんだ!なぁ勇太!」

う~ん…俺に振られてもなぁ…ってそうじゃないな
一応ヒメコに告白しているんだし

「サトコよ、悪いが俺はヒメコを―」

俺のセリフは途中で途切れた
サトコが首を掴んで締め上げているからだ

「何かな?よく聞こえないなぁ。僕にも聞こえる声で言ってよ」

く、首を絞めるな!
ヒメコと同じぐらいの身長で腕も細いのにどこにそんな力があるんだよ!

「ほら~どうしたのお兄さん。早く言わないと」
「サ、サトコ!ヤメて!離して!」

ヤ、ヤバい
コイツヤバ過ぎる。何でこんな事しながらニコニコ出来るんだよ

「ヤメろ!!サトコ!」

首を締め上げている力が緩んだ
声の主はヒメコではない。もちろん俺でもない
サトコは首を絞めていた手をダランと力無く下ろし、ヘナヘナと膝から崩れ落ちた

「ゲホッゲホゲホ…オェッゲホッ」

咳と共に俺も崩れ落ち尻餅をついた

「勇太!大丈夫か!?」
「大丈夫だ。それより今の声は…」
「姉さん!」

居たのはオロチアヤコだ
ウェーブのかかったブロンドの髪、二女だが長女のヒメコの比ではない素晴らしいスタイル
何故か部屋の中にいる
どこから入ったんだよ

「アヤコ、どうして?」
「記憶を消しに行ったサトコが戻って来ないから見に来たら案の定この有り様で」

アヤコは溜め息を1つ吐いた
がっかりした様子でサトコを見る
俺はアヤコの方向を見ていたのだが視線を感じたのでそちらを見る

「お兄さん…僕は…ダメ?」

サトコが上目遣いで俺を見る。目を潤ませ、頬が赤く染まっている
俺を絞めていたヤツとは思えないな
何だよ…さっきよりすげぇかわいいじゃねえか

「あぁ…えぇと…」
「勇太?どうした?」
「な、何でもない。ほら、早く帰れ」
「お兄さん、諦めないからね。僕はお兄さん…勇太の事―」

サトコのセリフの途中でヒメコが睨んだ
俺の方向からだとヒメコは見えない
どんな顔をしたんだヒメコよ
サトコが怯えているぞ
アヤコはそれを見て何か興奮してるし何だコイツラ

「勇太には私が嫁に行くんだ」

はぁ…コイツはよくそんな恥ずかしいセリフを言えるな
まあ俺も他人の事は言えた義理は無いがな…

「サトコ、帰るよ」
「うん…」

サトコは左手で目を擦り涙を拭くような動作をする。もしかしたらホントに涙を拭いていたのかもしれないな
アヤコはサトコと手を繋ぎガラス戸の方へ歩く
パンッという音と共に光が一瞬あった

一瞬だった

一瞬でサトコたちは居なくなった

「消えた?」
「………」
「ヒメコ?」

真剣な目で何かを考えているようだ。しかし髪はボサボサ

「おい、どうした?」
「え!?あ!す、すまない…考え事をしてて」
「何をだよ」

一瞬怪訝な表情をしたがしばらくして口を開いた

「サトコが現れたのは最後通告だ」
「?…誰からの?」
「私と勇太の関係に否定的な分家の連中だ。記憶を好きに出来るサトコが勇太から私の記憶を抜いてみろ…」

なるほど
かなり悪質な手を使ってくるらしいな
確かにアヤコは騙されて来てたぐらいだし、相手が本家でも一族の為なら手段を選ばないようだな

「もっと言うと、勇太がサトコに惚れたっていう記憶に差し替える事もサトコは出来るんだ」
「うん?」
「アイツはかなり危険なんだ。普段は調子のいいヤツだけど欲深くて手に入らないモノでも何が何でも手に入れようとするヤツでな」

欲深い…じゃあさっき俺の首を絞めたのは…手に入らなそうだから無理やり?

「でも何で今日はアヤコに関する記憶だけだったんだ?やろうと思えばいくらでも出来たんじゃないのか?」

ヒメコは溜め息を吐いた
髪はボサボサだが目は真剣そのもの、むしろ髪など気にならなくなってきた

「アイツは変態だ。他人の記憶を少しずつ、少しずつ、少しずつ抜き取って困る様を見て喜ぶ変態なんだよ」

怖っ!
真性のサディストだろ
まてよ?記憶を抜き取ったり差し替えたり出来るなら、相手に適当なトラウマを植え付けたら最強じゃないのか?

「それはない。サトコと喧嘩になっても喧嘩の原因の記憶を消されておしまいだ」

すげぇ…
俺はもしかしてとんでもないヤツに目を付けられた?
ヤバくねえか?
う~ん…

「なぁ、勇太…」

何か恐る恐るヒメコは訊いた
俺にはあまりよくないことなんだろうか

「私の実家に来てくれないか?」

……はい?

「これ以上妨害来るのは避けたい…こうなったら直接お父様や分家の連中を説得するしかない」

ヒメコの親父さんに会うのか?
あぁ、あれだろ?
「娘さんを僕にください」ヤツだろ?
…………
……
マジで?
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